
出産後の数週間は「第4トリメスター」とも呼ばれ、体にも心にも大きな変化が起こる時期です。ほとんど眠れないなかで新生児のお世話を覚えながら、体は回復していきます。自分にやさしくしてください。ここでは、ふつうのこと、助けになること、助けを求めるべきときを紹介します。
体に起こること
出血(悪露)。 経腟分娩でも帝王切開でも、出産後は出血があります。はじめは量が多く鮮やかな赤色ですが、4〜6週間かけて少しずつ量が減り、ピンクや茶色に変わっていきます。タンポンではなく産褥ナプキンを使いましょう。
後陣痛。 子宮がもとの大きさに戻るときの痛みで、授乳中に強くなることがよくあります。たいてい数日でおさまります。
会陰の痛み。 経腟分娩のあと、とくに裂傷や縫合があった場合は、腟と肛門のあいだが数週間痛むことがあります。冷やす、洗浄ボトルで流す、やわらかいクッションに座る、痛み止めを使うなどが役立ちます。
帝王切開からの回復。 傷は数週間痛むことがあります。赤ちゃんより重いものは持たないようにし、運転や運動については医療者の指示に従いましょう。
胸の変化。 母乳はたいてい出産後2〜4日で出はじめ、胸が張って痛むことがあります。こまめに授乳し、体に合った授乳ブラを使うと楽になります。
膀胱と腸。 笑ったりくしゃみをしたりしたときに少しもれるのは、産後よくあることで、最大3人に1人が経験します。骨盤底筋のトレーニングが役立ち(妊娠中の運動ガイドも参考に)、骨盤底の理学療法士にみてもらうと回復が早まります。早めがおすすめです。
寝汗と抜け毛。 どちらもホルモンが下がることによるもので、ふつうのことです。
産後の心
マタニティブルーズ。 新米の親の最大10人に8人が、産後3〜5日ごろに涙もろくなったり、不安になったり、落ち込んだりします。たいてい2週間以内におさまります。
産後うつと不安。 ママの約7人に1人が産後うつになります。気分の落ち込みや不安が2週間以上続く、何にも興味がわかない、絶望的な気持ちになる、やっていけないと感じる、赤ちゃんとのきずなを感じにくい、怖い考えが頭から離れない、といったサインがあります。よくあることで治療できます。助けを求めるのは、いちばん強いことです。医師や助産師、保健師、相談窓口に話してください。
産後のチェックリスト
Pregoアプリのやることリストにある産後の項目と同じです:
- 産後健診。 日本では産後2週間健診と1か月健診が一般的です。回復の具合、血圧、気分、授乳、避妊、運動を再開できる時期などを確認します。
- 骨盤底のチェック。 もれ、重い感じ、痛みがあれば、骨盤底の理学療法などを紹介してもらいましょう。
- 授乳の計画。 母乳でもミルクでも両方でも、できれば産前から、助産師外来や母乳相談などのサポートを確保しておきましょう。
- 新生児スクリーニング。 生後数日のうちに、かかとからの採血(新生児マススクリーニング)や聴覚検査などがあります。
- 赤ちゃんのビタミン。 母乳にはビタミンDがとても少ないため、多くの保健機関は母乳育児の赤ちゃんに生まれたときから1日400 IU(10マイクログラム)をすすめています。日本ではビタミンK2シロップの投与も行われます。
- 出生届を出す。 日本では生まれた日を含めて14日以内です。パスポートや手当の手続きに必要です。
- 安全な眠り。 赤ちゃんはあおむけで、かためで平らなマットレスに寝かせ、ふわふわの寝具は置かず、室温は16〜20℃くらいに。
- はじめての予防接種。 生後2か月から始まる予防接種の日程をメモしておきましょう。
- 避妊。 最初の生理が来る前でも、授乳中でも、また妊娠することがあります。早ければ産後3週間で妊娠することも。
最初の数週間のコツ
- 赤ちゃんが寝ているときは、ときどきでも一緒に眠る
- 食事、洗濯、上の子のお世話など、手伝いの申し出はすべて受ける
- 授乳する場所に水とおやつを置いておく
- 休みたいときは面会を控えてもらう
- 体調がよければ、ゆっくり散歩する
- 妊娠中のサプリメントは続ける。とくに母乳育児中は
すぐに助けが必要なとき
次のような場合は、119番に電話するか救急外来へ:
- 1時間でナプキンがびっしょりになる出血、または大きな血のかたまり
- 胸の痛みや息苦しさ
- けいれん
- 自分や赤ちゃんを傷つけたい気持ち
38℃以上の熱、ひどい頭痛や見え方の変化、脚の赤み・痛み・腫れ、傷口の赤み・熱・じくじく、においの強いおりものがあれば、その日のうちに産院に連絡しましょう。
よくある質問
産後の出血はいつまで続く?
ふつうは4〜6週間で、だんだん減っていきます。急にまた量が増えたり、においが強くなったりしたら、産院に連絡しましょう。
産後はいつから運動していい?
ゆっくりした散歩や骨盤底筋のトレーニングは、たいてい数日後から始められます。強めの運動は産後健診まで待つ人がほとんどで、帝王切開のあとはさらに長めに待ちます。
生理はいつ戻る?
母乳育児をしていなければ、6〜8週間で戻ることが多いです。母乳育児中は何か月も先になることがあります。最初の生理の前に排卵することがあるのを忘れずに。
出典
- ACOG: Your postpartum care
- CDC: Urgent maternal warning signs
- AAP: Safe sleep
- NHS: Your post-pregnancy body
一般的な情報であり、医学的な助言ではありません。必ず医師や助産師の指示に従ってください。
更新履歴
- : 英語版ガイドからの翻訳です。